息子の解説: 母は2021年2月1日に右足を膝上から切断しました。 診断書によれば病名は「右下腿ガス壊疽」とのことで、 足の感染症が重症化して組織が壊死しており、 感染症がさらに広がると命の危険があると言われました。 左足もガス壊疽を起こしており、右足ほど範囲は広くありませんでしたが、 執刀医からは両足の切断を強く勧められていました。 家族としても、命の危険があると言われてしまっては、 医者の言うとおりにするしかないという意見に傾いていましたが、 母は左足を残す決断をしていました。 母はすでに失明していて、その上足まで切断すると言われて、 この時の母の心境はあまりに壮絶で家族ですら想像できませんが、 少なくとも、今後の生活を諦めていなかったのだと思います。 「死んだら死んだで仕方ない」 医者から説明を受けた後、母は電話口でそんなことを言っていました。 母はこの時すでに入院中で、コロナ禍で面会謝絶。 こんな大事なことも、直に会って話し合うことができません。 私はかける言葉が見つからず、母の希望に押される形で、 家族としても左足を残す選択をしました。 (左足は切断はしませんでしたが、創を除去する手術を行いました。 デブリードマンと言うそうです) 手術自体は成功し、 その後は抗生剤によって足の感染症のコントロールもできていました。 全身麻酔が切れた後は激痛で夜通し叫んでいたそうです… これだけの痛みに耐えてきたのに、どうして報われないのだろう。 このときは、手術の傷が塞がれば、 退院して家に帰ってくるものだと思っていました。 切断した足は、なんと家族が引き取って火葬しなければならないようで、 手術当日は切断した足が入るサイズの段ボールと ドライアイスを用意して病院に向かいました。 このあたりの対応は病院によって違うそうですが…。 |